
(底曳網漁/エビこぎ) |
秋のハモは、「残りハモ」なんていわれますが、 瀬戸内では、冬に備え食欲が旺盛になる秋が旬。夏が旬というイメージは、京料理の影響をうけすぎ?しかも、秋は需要が少なくなるので相場も下がりがち!「安かろう悪かろう」ではなく、いい物が安く手に入ります!寒い時期のハモ鍋なんてもう最高! |
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さかのぼること江戸時代、今日の様な冷凍設備のない時代。
夏場は京都へ魚を運ぶのが困難でした。
そこで目を付けられたのが生命力の強いハモ。「ハモなら大丈夫だろう!」っと。
その後、京都ではハモ料理に磨きがかかり、今では全国的にも有名、夏の祇園祭の頃には一気に需要が高まります。そんなところから夏の魚というイメージがあります。
でも、ほんとうに夏が旬?
産地ではどう?
初夏には紀伊水道等太平洋に面したところで数多く水揚げされますが、ここ明石では秋が最盛期!
冬眠?を向かえる冬が来る前にどん欲にエサを食べる秋が最も脂がのって美味とされています。
また水揚げ量も多くなり、お手頃価格となります。
つまり瀬戸内では秋が旬!このことは、ハモの産地で有名な由良(淡路島)でも同じことがいえるそうです。
潮流が早い明石の海で鍛えられたハモは、まさしく体育会系!
さらには、明石の美味しい魚を貪欲に食べる美食家!
そりゃ〜〜美味いはず!
当店では昼市で仕入れたハモを店内の活洲で一日活越し、早朝一番に締めて、開いて骨切りをして店頭に並べているので鮮度はバツグンです。
少し肌寒くなるこの季節、ハモ鍋なんていかがですか。 |
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(ハモの湯引き)
(1)骨切りしてあるハモを5p位づつに切る
(2)切ったハモを熱湯にサっと入れる(一瞬)
(3)熱湯から取り出したハモを氷水の中に入れる
(4)すぐに取り出し、ざるの様なもので水を切って出来上がり
(5)梅肉か酢味噌をたっぷり付けて食べると美味 |
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(ハモの刺身)
(1)ハモを三枚に卸して、皮に熱湯をかけ、氷水にいれる。
(2)奇麗にふいてから、ねぎのように切ります。
(3)わさび・酢味噌・梅肉でどうぞ。
(ハモの淡路鍋)4人分
(1)骨切りしたハモを食べやすい大きさ(5p位づつ)に切ります。
(2)鍋出汁を作ります。
白出汁(昆布と削りぶし)5カップ・濃い口醤油0.5カップ・味醂0.2カップ・酒0.3カップ・塩少々。
(3)土鍋に(2)の鍋出汁を入れ、沸騰したら先にスライスした玉ねぎを入れて、浮いてきたら(1)のハモを入れ出来上がり。
材料:ハモ2本・玉ねぎ3個
白出汁(昆布と削りぶし)5カップ・濃い口醤油0.55カップ・味醂0.2カップ・酒0.3カップ・塩少々。 |
(ハモの天ぷら・フライ・唐揚げ)
秋に多い1Kgを越えるような大きなハモは、脂ののりはバツグンだが、骨が硬く歯にあたることもある。そこでこういったものは天ぷら・フライ・唐揚げ、塩焼等、しっかりと加熱処理できる料理がお薦め。 |
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生きたハモを捌く、これぞまさに産地の魚屋!

昼市で買いつけたハモは、店内の活洲に活かせておく


翌朝、活洲からハモを揚げ一本ずつ丁寧に絞める


生臭さを取るための血抜


水洗い(ぬめりをと取ってから内蔵を出す


背骨を抜いてから開く
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骨切り
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店頭販売 |
ブログ
味覚の秋(ハモ編)
味覚の秋、全国的には新物サンマが出回り楽しませてくれる。
「秋サバは嫁に食わすな」そんなことわざもあるようで・・
今風なら「秋サバは夫に食わすな」?/笑
語源はいろんな意味があるようだが、サバの旬は秋、それほど美味しいと解釈しておこう。
明石でもタイをはじめアジや鰆(サワラ)も秋が旬。
見た感じ同じ(同じ様な値段)でも春・夏のものとは値打ちが違う。
そして、おいらがもう逸品加えるとしたら・・間違いなくハモ!
ハモは祇園祭(京都)の影響か、夏が旬と思っている人が多い。
×(間違い)
冬に備え貪欲にエサを食べるこれからのハモ(秋ハモ)は、丸々と太って脂ののりもバツグンになる。一年で最も美味しくなる季節。
さらには、水揚げも増えてくる。
その一方、何故か?「残りハモ」など意味不明なことをいわれ、悲しいことにいまひとつ人気がない。
当然値段も安くなる。
「夏は値段が高いわりにてイマイチ、秋は安くて美味い!」
これ、産地の常識、覚えておこう!
ハモで知られる淡路、ここの旅館等がこの時期にハモを売り込んでくるのもそういうこと。
ただ、おいらも商売、夏にこのことをいうことはまずない!
夏は夏の売り言葉が・・/笑
旬とは水揚げが多く安くなる時期ではなく、あくまで脂がのって美味しくなる時期をいう。
秋が旬の魚は多い、味覚の秋とは上手くいったものだ。
ハモは大きい方が良い?
秋は大きなハモ多い。一般的なサイズから逸脱したような?どでかいのもいる。
まずは↓写真をごらんあれ、
これどちらも同じ値段なら、あなたならどちらを選びます?
「もちろん下の大きな方」
そう応える人は多いはず。
ところが、浜では上の大きさの物の方が高値がつく。
店頭でも「なんでこの大きい方が安いの?古いの?」っと、尋ねられることもある。
どうしてこの様などでかいハモは安いのか?
ハモは骨が多く骨切りをしなくてはならない。ちなみに写真は骨切りをする前の状態。
ある一定以上の大きさ(下のハモがそう)になると、肉厚で脂ののりはバツグンなのだが、骨が硬く食べるときに気になることがある。骨切りも難儀で、どうしても残ってしまうこともある。
こういったものはフライや天ぷら、唐揚げ、もしくは塩焼等には適しているが、鍋や湯引きにはあまり適さない。
魚屋のの朝は早い?
「魚屋は朝が早いから・・」よくそう言われる。
確かに世間一般の魚屋はそうかもしれない。
「利は仕入れにあり」といわれるように、仕入というのは商においてとりわけ重要で、
魚屋は朝早くから競うようにして市場に行き、他人(ひと)よりも少しでも値打ちのある魚を調達しようとする。
魚屋にとって早起きは三文の徳。
ただ、このあたりの事情はここ数年でずいぶんと様変わりしているようだ。
他方、おいらの場合、扱っている魚の多くは明石物(地物)。
これは市場は市場でも卸売市場(消費市場)ではなくなく、浜の市場(明石浦漁協/産地市場)で買い付けることになる。
11時半から始まるセリに自らセリ台に立って、漁師が獲ってきた魚をセリ落とす、
これが有名な明石の昼市。
魚屋(小売)がセリ台に立つというのは、全国的には珍しいケースではないだろうか、
(通常、セリで魚を買い付けるのは仲卸、小売はその仲卸から仕入れるのが一般的な流れ)
当店では浜から持ち帰った魚の多くは、ラウンド(丸っぽ)で並べ、買って頂いたその場で調理する。
そのため、昼からは仕入と販売、料理等、全てがほぼ一斉に同時進行で行われるため、朝とはうって変わって忙しくなる。
ところがハモの季節は・・
ハモは骨切りをしたものでないとラウンドでは売れない。
水洗いをして開いた後、骨切りとこれが手間暇のかかる作業、
買って頂いたその場で料理するとなると手がまわらない。
そこで、朝一番にしめて骨切りをして店頭に並べる。
ふだんはこういった朝の仕込みがあまりないので、出勤時間もそれほど早くないが、
ハモが多いときは、朝一番から忙しく出勤時間も早くなる。
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